不妊の原因・特徴 |
お腹が硬い・冷たい・低体温
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不妊や流産しやすい方のお腹にさわってみると、とても硬く冷たい。そして弾力性がないことに気づきます。
まるでお腹が岩盤のようになっている方や、岩や石がゴロゴロしているような状態の方が多く、少し触っただけで「ギャ〜!!」っと悲鳴に近い声をあげる方もいます。
私はお腹のことと不妊のことをわかりやすく説明するために、お腹を「畑」に例えて説明します。
「畑の中に岩盤や岩や石などがゴロゴロしている所に種をまいて、芽が出るでしょうか?」
「運良く芽が出たとしても、きちんと育ちますか?」
私たちがやっていることは畑をよく耕し、良い土作りをして蒔いた種の芽が出る様にし、芽が出たらきちんと育つ様にしているだけです。と・・・
お腹があまりに硬いと、卵巣と子宮に流れる血流が悪く、妊娠に必要な女性ホルモンの分泌も当然悪くなってしまうのです。
お腹が硬くなる原因は色々ですが、一番の原因は足の骨(中足骨・立方骨)の落ち込みです。
これらの骨がどうして落ち込むのか、それが不妊とどのように関係あるか説明します。
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足指を使わない生活 |
1. 足の親指上向き歩き→骨格の歪み
交通機関の発達や生活様式の変化によって、足指を使わない生活が多くなってきました。
かつての日本人の履物は鼻緒のあるものが主流でした。鼻緒は親指と人差し指でギュっと固定して歩く事で自然に足指を使っていましたが、戦後は玄関で脱ぎ履きするという生活様式はそのままで、履物だけが靴に変わりました。
このような足の機能に合わない靴は歩きにくく、常に足の指を靴の天井にくっつけて歩く様になります。
これが「足の親指上向き歩き」です。
このような歩き方を小さい頃から続けていると、体調不良・冷え・むくみ・生理痛・不妊・流産・婦人科系の病気になりやすくなります。 |
2. かかと重心の歩き方が及ぼす影響
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足の親指上向き歩きをしていると、どうしても踵に重心がかかるようになります。
右の図は、東京工業大学の故平沢先生が日本人の成人が直立したときの足にかかる身体の重心の位置を計測し、表した図です。
踵を起点につま先の位置を100ポイントとすると、20年間のうちに47〜40ポイントの位置まで後退していました。
この傾向は今後も続くと見られ、日本人は近い将来二足歩行はおろか、立つ事も困難になるという警告をしているのです。
重心がかかと側にかかれば、当然そのまま後ろに倒れてしまいます。これを防ぐために上半身を前にかがみにしてバランスをとろうとします。これが現代人に多い猫背の原因の一つなのです。
猫背はなにひとつ良い事がありません。まず背骨が歪み、そして内臓を圧迫し続けます。 |
ながく足指を使わない生活をしていると、土台骨(図A)の落ち込みや変化によって、骨盤、背骨、首、アゴなどでトラブルが発生します。
特に立方骨と中足骨の変位は骨盤のトラブルを発生させ、殿部筋やお腹を硬くさせることがわかりました。
当院ではまず、足の骨(立方骨、中足骨、楔状骨)を矯正しお腹の硬さをとる施術をしています。
[図A]
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3. 立方骨の落ち込みと靭帯の関係
「足の親指上向き歩き」で踵歩きを長く続けていると、中足骨靭帯部分に過度の重力がかかり、伸び弛んでしまいます。
足の指は親指から小指にかけて斜めについているので、中足骨が弛めば、外側と踵側に重心が移動します。そうなると今度は足の甲側と足根靭帯が弛んできます。人間の足には脛骨と腓骨という二本の骨がありますが、体の重心が外側に偏ると次第に骨と骨が広がっていきます。
そうなるとひざ付近にある外側副靭帯も弛んできてそれが上肢にも影響してきます。
特に立方骨が落ち込む事によって、足の靭帯がゆるみ骨が離れ始め、ひざのトラブル→骨盤のトラブル→腰椎→胸椎→頸椎→下顎→頭蓋骨まで影響をあたえますが、人間の体は本当に良く出来たもので「これ以上離れない様に」と筋肉が必死で働いて修正をしてくれます。しかし、立方骨の落ち込みがひどすぎると寝ている間も筋肉がそれを修正しようと頑張るのです。
人間の持って生まれた身体能力を、靭帯の弛みを補正しようとするために使っているとしたら、本当にもったいないことです。
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4.ソケイ靭帯とお腹の関係
卵巣や子宮のある下腹部がどうしてかたくなるか、良くわからずに施術していましたが、不妊や流産しやすい方、婦人科系の病気、生理痛の方のお腹を触ってみると、ソケイ靭帯の弛みが見られます。足の骨の落ち込みでヒザ、股関節、ソケイ部の骨と骨の間が開き、靭帯も伸び弛んでしまいます。
お腹に最も関係のあるソケイ靭帯も弛み、それを補正しようとお腹の筋肉が24時間フル稼働します。お腹の筋肉が頑張れば頑張る程卵巣や子宮のある下腹部が異常なくらい硬くなります。
ですから、下腹部を柔らかくするには、必ずソケイ靭帯を修正しなければお腹は柔かくなりません。
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骨盤の働きについて
骨盤は上半身と下半身をつなぐ体の中心に位置する骨で、仙骨と左右の腸骨でできています。
この腸骨が仙骨の上を前後左右に動いたり開いたり閉じたりします。朝は骨盤が閉まっていて活動しやすい状態になっています。時間がたつにつれて徐々に開いていき、夜は横になった状態になっています。
骨盤が開いた状態になっていると内臓はしっかり消化活動ができるので、自然の流れで朝の目覚め、排泄につながっていきます。
時に女性の場合は、生理周期によっても骨盤の開閉が繰り返されています。排卵があると骨盤が閉まり、月経に向けて徐々に開いていきます。
月経期間中は開いた状態ですが、月経が終わると閉じていきます。
妊娠時にも骨盤はだんだん開いていき、出産の時は最大になり、出産後は閉じます。
こうした骨盤の働きを妨げてしまうのが骨盤の歪みです。歪みというと骨盤の変形を思っている方が多いですが、ここでいう歪みとは骨盤の開閉や動き、左右差があったりすることで、正常な動きが出来ない状態を言います。
骨盤が歪み、アンバランスな状態が続くことで、血行不良やホルモンの乱れが生じることもあります。
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骨盤の歪みと不妊について
整体、カイロプラクティックなどに行くと、必ずと言っていい程「骨盤が歪んでいます」と言われます。「治します」とは言ってくれますが果たして治っているでしょうか・・・
女性は骨盤という言葉に弱く、歪んでいないかとても気にします。確かに骨盤の歪みは体の不調の原因となりますが、私の経験上、歪みを矯正しても戻りやすいのが現実です。
では、どうして戻るのでしょうか?戻りやすいのでしょうか?
戻りやすい方は足の土台骨に問題がある方が多く、足の土台骨を矯正してあげないと、いくら骨盤を矯正しても良くならないのです。例えば、皆さんの家の土台がズレたらどうなるでしょうか?家は傾いてしまいますよね。
人間の足の骨(土台骨)がズレたり落ち込んだりしたら、体が歪んでしまい、その影響が骨盤の歪みとなり、お腹の血流にも影響がでてしまうのです。当然卵巣や子宮、膀胱にも悪影響を及ぼしまてしまいます。
当院でも骨盤矯正をしますが、足の骨の関節を使って腰椎、仙骨、仙腸関節、股関節を矯正していきます。
それくらい足は大切な所です。足の指を使って歩くことがいかに大事か、改めて感じます。 |
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